【医師が解説】ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)とは?特徴、見分け方、治療方法、再発の可能性

しみ

こんにちは、アヴェニュー表参道クリニック院長の佐藤です。

「何度も治療をしても薄くならないシミがある」そんなお悩みを抱えている方はいらっしゃいませんか。もしかしたら、そのシミ『ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)』かもしれません。

ADMは、一般的にシミと呼ばれる老人性色素斑やそばかすとは異なり、肌の深い層(真皮層)にできる特殊なシミです。治療方法も通常のシミとは異なるため、正しい判断が重要となります。

ADMは聞き馴染みがない、あるいは全く知らないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ADMについての特徴、他のシミとの見分け方、効果的な治療方法、また、再発の可能性などについて解説していきます。
「自分のシミはADMかもしれない…」と思った方は、ぜひ参考にしてください。

他のシミについても知りたい方は、シミについての記事をぜひご覧ください。

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)とは?

一般的な日光性・老人性のシミは肌の浅い層(表皮層)に発生するのに対して、ADMは、肌の深い層(真皮層)に何らかの原因でメラニンを産生するメラノサイトが沈着してできるシミです。真皮層にできるため、アザの一種とされることもあります。

Acquired Dermal Melanocytosis”の頭文字を取って「ADM」と呼ばれています。日本の医学名にすると、”後天性真皮メラノサイトーシス”となります。

1-1 ADMの特徴

「後天性真皮メラノサイトーシス」という名前の通り、生まれつきではなく、20-30代頃に目立ちはじめるシミです。

両頬に左右対称に点状で発生します。色味は、他のシミに比較するとグレーがかっています。しかし、表皮に近い真皮の浅い層にできている場合は、日光性のシミに近い茶色に見える場合もあります。また、真皮の深い層にできている場合はアザのように青っぽく見える場合もあります。

諸説ありますが、世界でも特にアジア人はADMを発症しやすい傾向にあると言われています。

1-2 発生部位

特に多く発生するのは両頬です。その他には、こめかみ・髪の生え際・唇・小鼻・目の下などにも発生します。
基本的には顔にできるもので、腕や背中など身体にできることはほとんどありません。

1-3 原因

ADMが発生する原因は完全には解明されておらず、紫外線や遺伝的要因の関連が指摘されています。
また、男性と女性では、女性の発症率が圧倒的に高く、男性の約10倍と高くなります。そのため、ホルモンが発症に関連している可能性もあり、研究がすすめられています。

1-4 太田母斑との違い

ADMと太田母斑は混同されがちですが、違いは、発症時期・色味・発生場所・形にあります。見分け方のポイントを表にしましたので、ご確認ください。

ADMと老人性色素班・そばかす・肝斑との見分け方

ADMはその他のシミ(老人性色素斑・そばかす・肝斑など)と混在してできることが多いため、ご自身で見分けるのはなかなか難しいものです。
簡単な見分け方のチェックポイントをまとめましたので、参考にしながらご自身のシミがどのシミに当てはまるかセルフチェックしてみてください。

※発生場所は、基本的な部位で、その他の場所にできる場合もあります
※原因は、基本的なもので、その他の原因で発症する場合もあります

シミが混在して発生している場合は、まず皮膚の浅い層にできているものから『①肝斑 ⇒ ②老人性色素斑・そばかす ⇒ ③ADM』順番に治療をおこなうとよいでしょう。

※治療を行う場合は、今回のセルフチェックを100%信じるのではなく、医師の診察のもとで適切な治療方法を選択するようにしてください。

関連する記事もこちらに置きますね。
【老人性色素斑】
【そばかす】
【肝斑】

ADMの治療方法

クリニックでは、先ほどあげたような特徴をもとにカウンセリングで肌を診させていただき、それぞれのシミに適した治療方法を判断していきます。
ADMは、単独であれば見分けが難しいものではありませんが、

◆老人性色素斑や肝斑など他のシミと重なって発生している
◆表皮に近い真皮の浅い層に発症している(表皮にできる老人性色素斑と色が似てしまうため)

上記の場合、判断が難しくなります。

3-1 治療の難易度

老人性色素班やそばかすの治療難易度を標準とした場合、ADMは一般的なシミよりも深い層にあるため、難易度は高めであると考えます。
判断が難しいこと、また、皮膚の深い層に強い出力でレーザーを当てる必要があるため、施術者の技術も求められます。

3-2 治療方法の選択肢

治療の選択肢は「レーザー治療」一択です。

レーザー治療の中でも「ルビーレーザー」「ピコレーザー」「レーザートーニング」の3つに選択肢が分かれます。

次に、それぞれのレーザーの特徴やリスクなどを解説します。

①ルビーレーザー
レーザーの波長が長すぎず、短すぎず、バランスがよいためADMのシミの深さに適しており、レーザー治療の中でも、効果的な治療方法である考えます。
出力が強く、かさぶたが出来てテープを貼るダウンタイムが発生したり、炎症後色素沈着ができるリスクが高いことがデメリットといえますが、一度で高い効果を得られます。

②ピコレーザー
レーザーの出力を調整が可能で、おひとりおひとりに合った治療を行えます。
ルビーレーザーでの治療より回数を重ねる必要があります。
テープを貼るなどのダウンタイムがないことや炎症後色素沈着のリスクも低いことがルビーレーザーとの大きな違いです。

③レーザートーニング
波長は適しているものの、出力が弱い点でADM治療には不向きと言えます。
しかし、回数を重ねて少しずつ薄くしていくことはできます。どうしてもダウンタイムが取れない、肝斑治療と並行しながらゆっくりと治療をしたいという方におすすめの治療方法です。アヴェニュークリニックでは、レーザーブライトニングピコトーニングがあります。


ハイリスクハイリターンの「ルビーレーザー」、ローリスクミドルリターンの「ピコレーザー」、ゆっくりじっくりの「レーザートーニング」どれを選択されるかは、ご自身のライフスタイルなどを医師と相談のうえ検討なさってください。

■スキンケア・内服薬・外用薬

残念ながらスキンケアや内服薬、外用薬のみでは、ADMを薄くすることはできません。あくまでレーザー治療中や治療後のサポート的な役割と認識して、取り入れていただければと思います。
■内服薬:トラネキサム酸・ビタミンCなど

■外用薬:ハイドロキノン・レチノインなど

3-3 再発の可能性

中には、せっかく綺麗にしたのに再発をしたり、逆に悪化をしないかと心配に思われる方もいらっしゃると思います。
ADMは、治療後に再発をする可能性は低いとされています。
治療をしてADMそのものが悪化するということはなく、根気強く回数を重ねることで徐々に薄くなっていくものです。

ただし、強い出力で当てる分、炎症後色素沈着や肝斑が悪化してしまう可能性もありますので、治療後のケアを怠らないこと、薄くなってきたら治療方法を変更するなど治療プランを医師と相談してみるとよいでしょう。

3-4 保険適用になる?

ADMの治療は、レーザーで治療を行うことになるため、保険適用ではありません。基本的には美容クリニックでの自由診療という選択になります。

3-5 治療後の注意点

基本的な治療後の注意点は他のシミと同様です。日焼けをしない・肌を擦らない・しっかりと保湿をするよに心掛けてください。

また、強い出力のレーザーを当てて治療を行うため、炎症後色素沈着が起きる可能性が高いです。
もし、炎症後色素沈着が起きてしまった場合は、薄くなるまで次の治療を行うことができません。治療を始めると1日でも早く綺麗にしたいと気持ちがはやってしまいがちですが、焦りは禁物です。医師の判断のもとで適切な期間を空けて、治療を行うようにしましょう。

まとめ

ADMの治療は、ダウンタイムが発生するため、治療に足踏みをしてしまうかもしれません。しかし、適切な治療を行えば、綺麗にすることができるシミです。
何度もシミ取りの治療をしているけれど、取れないシミがあると悩まれている方は、今一度、医師に相談をされることをおすすめします。いつもとは別のクリニックを受診してみるというのも一つの選択肢です。
私自身も今まで数多くの患者さまの肌を診てきた経験がありますので、治らないと諦める前に、ぜひご相談いただければと思います。

Dr. PROFILE

佐藤 卓士(さとう たかし)  

京都大学農学部卒業 農学修士  
九州大学医学部卒業 医学博士
  

岡山大学医学部付属病院 勤務 
杏林大学医学部付属病院 勤務 
都立大塚病院形成外科 勤務  

2018年 アヴェニュー表参道クリニック 院長就任

日本専門医機構認定形成外科専門医 
日本レーザー医学会認定レーザー専門医  


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